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百志(モモシ)

【評価★2】『わたし、ADHDガール。恋と仕事で困ってます。』科学的根拠に基づいた説明に乏しい、とある精神科医の自己満足本

この作品のポイント

○ ADHDの人でなくても役に立つ生活の知恵が書いてある。

× ADHDという障害について科学的根拠に基づいて説明していない。信憑性や説得力が無い。
× まとめとして”上手いことを言っている風”の川柳があるが、面白くない。

※以下ネタバレあり

 近年耳にするようになった新しい精神病についての知識を身につけたくて購入。正直がっかりの内容だった。まず第一に科学的根拠に基づく説明が皆無だ。やれADHDだ鬱病だ障害だと人を断定づけるには、それ相応の根拠が不可欠だ。例えば、「脳の仕組みとしてooの成分が基準値のxxより大きく下回るために症状が出る」と言った説明が必要だと私は考えるのだが、本書にはそういった説明がまるで無い。あるのは著者のただの自論で「ADHDってこういうものですよ」程度の話しか書かれていない。私からすると「それじゃああなたの言っていることの裏付けはどうやって取れているのだ」という疑問を本を読みながら感じてしまい、その時点で筆者のことを信じようとはしなくなる。また、この本には30の「ゆるっと川柳」なるものがある。筆者は川柳で上手いことまとめられていると思っているのだろうが、これが面白くない。内容が無い、読んだところで頭に残らない。よく自分の著書にあんな自己満足の要素を盛り込んだと思う

 またこれは本の評価を少し超えた話だが、精神科医の発言というのは鼻持ちならないものがある。例えば本書の中でこのような表現がある。「定型発達の人の場合、目先の楽しさにとらわれず、より大きな大事な目標のために行動します。」こんな言い方したんじゃあ、「じゃあその時々の楽しさを大事にする人は全員発達障害であり、いわゆる刹那主義の人はADHDなのか」と思ってしまう。人が人を”何か”として断定づけるのであれば、それなりの根拠を示し、そしてその言葉にはしっかりと責任を持って欲しいものだが、本書の著者というのは、人間の扱い方というものをまるで分かっていない。こういった、人をいたずらに断定してしまう人を見ると、私は虫唾が走る。
※『わたし、ADHDガール。恋と仕事で困ってます。』(司馬理英子、東洋館出版社)のp45より引用

 一応良かった点を少し上げよう。純粋に「人ってそういう考え方が大事だよね」「おお、そういうアイデアがあったか」と思わされる、ちょっとした処世術や生活術が載っていた。衝動的に行動してしまいがちな人に向けたメモの活用の勧め、カバンの中が物で散乱してしまいがちな人に向けたバッグインバッグの勧め、などなど、純粋に参考になった。

 私がこの本を人に勧めることは無いだろう。少なくとも、「人が人をネガティブなものであると断定するかのような発言、が書かれた本」というのを私が人に勧めることはまず無い。

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